八ツ田和夫さんの幸せな人生

八ツ田和夫さんは漁師です。朝早くから漁に出掛け、獲れた魚を市場へ運ぶ毎日です。漁のない日は家庭菜園を楽しむ70代です。
高校を卒業して直ぐに家業の漁業に携わりました。地元に残った者として消防団に加入し地域のために活動をしていました。ある時、一人暮らしの老人宅から火災が発生し、消防団の活躍により老人は無事に助かりました。老人の家では子供たちは独立し家から出ていたので、その後の世話などは近所の人たちが手伝ってくれました。
その老人は中学時代の恩師でした。「人生に枠があるとするならば、そこから出て頑張るのも良し、枠の中で精一杯生きるのも良し」その先生の言葉で地元に残り漁師になることを決めたのです。田舎は長男が家に残るのが当たり前の時代に、長男である八ツ田和夫さんは地元に残る意味と役割を中学時代に考えさせられました。その当時から田舎では若者は都会に出ていくので、地元には高齢者が多い地域でした。何があっても若い世代が駆り出されます。それでも嫌な顔をせず地域のためにと頑張っていました。
恩師の家の火災での体験が、その後の八ツ田和夫さんの自然豊かで人間味のあふれる生まれ育った地域を守っていくという地元愛に繋がっていきました。

八ツ田和夫さんは、子供たちの声が少なくなった学校が気になります。高齢化がすすみ町全体の活気というものが減ってしまっている事に胸が痛みます。地域を守っていこうにも肝心の人手がなく、このまま廃れていくかもしれないという不安が常にありました。
そんな時に都会から一人の青年が、ここの魚が好きで獲ることから売ることまでやれないかと相談に来ました。都会から見れば、この地は食材の宝庫で食や健康に関心のある人が増えてきている今こそ地元の産業を立て直すチャンスだと青年は訴えました。青年は恩師のお孫さんでした。この話は先生が導いてくれたのだと思えて八ツ田和夫さんは嬉しくなりました。
初めから順調というわけにはいきませんでしたが、今では魚介類も、農産物もファンが増えてきて、漁師や農家も今まで以上に良い物を作ろうと頑張っています。地域での活動も若者が増えて、子育てに関することから、季節ごとのイベント、高齢者への見守りなど多岐にわたって参加してくれる人も出てきました。
八ツ田和夫さんは、人生の枠の中を精一杯生きると決めた中学時代のことを思い出しています。子供や孫に囲まれて暮らし、漁師という定年のない好きな仕事ができ、地域の役員を引き受け活動を続けられていることが、枠の中で精一杯生きる幸せなのだと感じています。

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